たぶんこれ。
子どものころ、これ持ってて、巻末のモノクロページのアリの飼い方を熟読しまくって、アリを飼おうとした。うまく巣を作ってくれなくて、お母さんにいやがられたのもあって、すぐに庭に捨てたけど。
アリがおもしろくて図鑑を買ってもらったのか、図鑑を買ってもらったからアリに興味を持ったのか。後者だと思っていたけど、よくよく考えたら前者かも。親が好きこのんでアリの図鑑を与えない気がする。
だとしたら、わたしは子どものころからあまり社交的な性格じゃないな。なかったなかった。よく母に、公園へ遊びに行けと追い出されて弟と近所をさまよってた。友達が誘いに来ても、その子のうちに行こうと言われて「遠いから」と断ったりしてた。来てくれたのに。ひどいな。今でもわりとそう。悪気はなくて、出ていくのがちょっと恐いし、怖さをかいくぐるのが疲れる。一人で自分の世界にいるほうが安心でラク。たのしいし。
アリを眺めているのが好きだったんだと思う。アリのことを、もっと知りたいと思ったんだと思う。アリの行列っていつまで見てても飽きないし、まっすぐ歩くためなら仲間の頭踏んじゃったりするし、道がまがりくねってても誰も修正しないし、黒いし、きれいな形をしてるし、巣は穴だし、中がどうなってるか気になるし。おもしろいよなー。
……っていう子どもだったんだな。
高校生までは社交的で明るくほがらかで頭も良くスポーツ万能な人間だった、と思い込んでいたけど、そうでもなかったと、この図鑑を手にして思い出した。
うちは、図鑑というものを与えられなかった。あの頃は本と言えば文学で、それ以外の物は軽んじられていたんじゃないだろうか。いやでも図鑑はあったよな。や、うちにもあったな。わたしが興味なかったんだな。
たった本1冊で、いろいろ思い出すものだなあ。






