ひさびさにトリップ。
わたしのうっかりのために助けてくれるA。
都内をいいタクシーで自由自在に縦横無尽に走って、結局わたしのうち(なぜか実家)で必要な服を選ぶ。
その夜はわたしの仕事納め。
Aの経営するクラブ。
せっかくなので、彼の好きな衣装を聞いてみる。
しかしリクエストのワンピースは見あたらず。
たくさん高い服を買ってもらったのに、彼が選んだのはむかーしわたしが買った安い短いレースのストレッチのキャミワンピだった。
気に入ってなかったから捨てちゃったんだった。
しかたないからできるだけ近いものを選ぶ。
「今日はわたしの引退記念」
そう言って、夢は終わった。
ふたりきりのデートのあとにうっかりが発覚し、マネージャーを運転手にして動いた。
ふつうなら慌てて焦ってわたしを叱ってきそうなシチュエーションなのに、彼らしく落ち着いてやさしく冷静に、ただ起きてしまったことを最善の形に収集すべく計算し、行動していた。